道路標識設置管理士研修レポート 7月21日~26日、道路標識設置管理士の研修を受けました。場所は富士山の麓、富士宮市です。目の前には道の駅「朝霧高原」があり、観光客が途切れることなく訪れてきます。ここは空気がきれいで、私の住んでいるところと比べかなり涼しく、このような研修をするにはとても環境のよい所です。
研修内容は、交通人間工学概論、交通生理学・心理学、景観工学、法規、道路標識概論、設計、施工計画概論、基礎工概論、建柱工・電工概論、メンテナンス方法及び処理そして施工実習でした。
施工実習では標識板の取替え作業を行いました。自分には慣れた作業ですが、移動式クレーンや高所作業車運転等の免許を取得していても実際の作業をする機会の少ない方が意外に多く、他社の方の話を聞きますと、同じ標識業界とはいえそれぞれのあり方があるのだと実感します。
研修所にはコンクリートや鋼材および土の強度試験をする試験機があり、実際に目の前でコンクリートの供試体や鉄筋を破壊して見せてくれました。これらの実験機材は私の出身校のものとほぼ同じで、少し懐かしさがありました。標識業務を主にこなしている私たちにとって今回の研修は、全体として再確認的な部分も多いとは思いますが、交通人間工学や生理学、心理学などの分野を学ぶと、標識を建てるということは非常に奥が深いものです。具体的な例では、加齢によって目のなかのレンズ(水晶体)に黄色が帯びて、緑・青・紫などの色が判別し難くなるという生理現象があって、このような生理的な視点からも標識をよりよいものに変えていくことが可能だと教えられました。
景観工学では、景観の阻害要素として、ガードレール、ガードフェンスとともに路面表示と標識も挙げられています。交通をスムーズにし、交通安全に寄与し、コミュニティーをつなぐ役割の一部を担う道路標識が「景観を阻害」しているという表現は、標識業務に携わるものとして納得のいくものではありませんでしたが、少なくとも「景観を阻害している」と言われないような標識の設置ができるようになることが、私たち標識業者に求められている役目なのでしょう。(でも私としては、標識は美しい構造物だと個人的には思っていますが、皆さんはいかがでしょう?)
最初は初対面だった参加メンバーも日を追う毎に話す機会も増え、最後に研修センターを離れるのが名残惜しくなります。来年以降に研修を受けられる方々もどうか前向きに参加してみてください。きっといい経験、いい思い出になりますよ。
最後にこの研修に携わってくださった講師、及びスタッフの方そして、研修センターの方々、いろいろお世話になった参加メンバーの皆さん、どうもありがとうございました。 |